VICTOR WOOTEN 'Soul Circus' Tour 2005

MTQ2005-11-10

11/3@BOTTOM LINE 18:00開演

先週行われたツアーの初日を観に行ってきました。彼のプレイはBela Fleck&The Flecktones経由で知って気にはなっていました。正直「超絶技巧」なんて冠のつくベーシストのライブは自分には関係ないかな?とも思ったのですが、せっかく近くに来るんだし友人へのネタとして観ておこうと…彼に心酔しているベーシストやファンの人達には全くもって申し訳ないような物見遊山。しかしそんな僕の心づもりを大きく裏切るとても素晴らしいライブでした。
開演10分前ぐらい、やや遅れて入場すると意外にも微妙な客入り。ん?もっとすし詰感を期待していたのだが。(いつもの悪いクセw)程なく客電が落ち約5分押しでライブスタート。以下覚えている範囲でのセットリストを含めた雑感です。


TOUR MEMBERS Victor Wooten - b,vo. Regi Wooten - g. Joseph Wooten - key. Derico Watson - dr. MC Divinity - rap. Saundra Williams - vo. Anthony Wellington - b&tech.

  • Intro / Jam

オープニングSEと共にヴィクター登場。開演前にはポッカリと空いていた客席前方にもようやくお客さんが押し寄せてひと安心。挨拶代わりに超絶テクをサラっと披露。呆気にとられるお客さんも盛り上げるタイミングを逸して微妙な静寂に。アイコンタクトに促され下手にいる他のメンバーもゆっくりとステージへ。その後各メンバー紹介を兼ねたようなセッション。

  • Victa

アルバムではブーツィーをフィーチャーした脳みそトロトロのP-Funkなナンバー。既にこの時点で自分の顔が紅潮しているのがわかる。マイネーム イズ ヴィクター!たまんねぇー!

  • Stay

クラビ?っぽいイントロから始まる11/8拍子のファンキーなグルーヴ。サビでの美しいコーラスワーク。何より全員が歌えるというのは素晴らしいなぁ。間奏で10→7→9→11と客席を煽りながら拍が変わる。みんなついていけないw。ステージ上にはMC Divinity、ベーステクのアンソニー、ヴィクターとベースが3人。「Thank You」「Good Times」「Flash Light」「So What」…etcというベーシストにはお馴染みなリフを曲中にネタをくって会場を沸かせていました。ポール・チェンバースレイ・ブラウンの名前も挙がってたかな?

  • MC〜

偉大な先達の名前を列挙してリスペクトするといった内容のトークの流れで文字通り次の曲へ。

  • Bass Tribute

この曲のウリはベース・ヒーローの名前を挙げた後、そのプレーヤーのスタイルで一節弾くのですが、コレがもう笑っちゃうぐらい音色が似てるのなんのってw。ともすればお寒い企画にもなりかねない趣向ですが、本人も語っているようにこれはもうみんなに楽しんでもらおうというお祭り的要素がいっぱいの楽しいナンバー。僕のような上っ面だけサラっと聴いているライトなリスナーでも楽しめましたから、ベーシスト諸氏にはたまらないのではないでしょうか。因みに登場するベース・プレーヤーはS・クラーク、ジャコ、L・グラハム、ブーツィー、マーカス、J・ジェマーソン…etc

  • Prayer

ライナーからの引用:一昨年のクリスマスに亡くなった父親への思いを馳せた曲。前曲の流れからシームレスにフレットレスに持ち替え、一転してメローなナンバー。美しいトーンとメロディアスなフレーズが印象的でした。

  • dr.solo〜

乾いたスネアの音が気持ちイイ。途中バスドラのみを小刻みに長いことキックしていました。足攣らないのかなぁwバスドラに「PREMIER」のロゴ。タム、シンバル類は割とシンプルなセットでした。知らなかったのでググってみたらその昔リンゴ・スターも使用していたとか。。。僕はドラムといえば「TAMA」とか「Pearl」ぐらいしか知りませんw。

  • Higher Law

ファンク色が多いセットで唯一スライやジミヘンあたりを彷彿させるハードなロックナンバー。お兄ちゃんの独壇場ですw。白ボディのストラト(たぶんスクワイヤー?)ナット付近からネックまでミュート用のバンドを器用にスライドさせながら高速タッピングやらスウィープが炸裂!チューニング合ってねぇーw おかまいなしにぺグをクルクルっとwww ジミヘン「Fire」、「Sex Machine〜Soul Power〜Super Bad」とネタをくって右へ左へJBステップ、楽しそ〜。その後も延々とブーストの掛かった長〜いソロw。冗長な展開に客席も。。。?熱いステージ上のテンションと微妙な客席の対比がナニだったので、そこでヲタの本領発揮w「フォーッ!」次第に口笛と歓声が広がり会場は温かい雰囲気に包まれたのでした。オレGJ!w 演奏後ヴィクターが「オレの偉大な兄貴、マイティーチャー!」と紹介。正直僕の脳内は「どないやねん!w」いやいやクリーントーンの美しいタッピングも含めて見所は沢山ありましたし、何よりレジーのコミカルなキャラクターを前面に押し出した面白いショータイムでした。

  • key.solo〜

もう一人の兄、ジョセフのソロタイム。心地良いローズ系の音色でポロ〜ンと弾いたあと歌うかと思いきや、「ココニコレテウレシイデス」。続けて弾いて今度は歌うかなぁと思ったらはにかみながら「ニホンガスキデス」w 最後はちゃんと素敵な歌声を聴かせてくれました。キーボード関係は明るくないので簡単に機材紹介しておきます。ステージ上手側にL字型に組まれたセットは正面上段にRoland Fantom-X7 、下にYAMAHA MOTIF ES7、ステージ中央に向けてNORD ELECTRO Nord Stage 88?(詳細な型番は失念しましたが概ね同シリーズのものと思われます) 

  • On and On

サンドラのソロボーカルをフィーチャーしたR&Bテイストのメローグルーヴ。インコグニートのアルバム「Beneath The Surface」収録の「Misunderstood」という曲にイメージが似ています。決して張り上げる系のボーカルスタイルではありませんが、僕は個人的にはこういったすーっと心に染みる浸透力のあるタイプの歌声が好きです。

  • MC Divinity solo〜

シースルーレッドの4弦(アレもフォデラだったのかな?)をやや低めの位置に構え、ジミヘンの顔がプリントされたピンクのTシャツにブーツカットのボトム、何より見た目がイケてる!ラップ担当の彼女はこの他にも数曲でベースを披露していましたが、意外と言っては失礼ですがかなりウマイです。ステージ上の両脇に二人の女性を擁する画ズラは、視覚的にも今回のライブを盛り上げるのに一役買っていました。

末娘アリアナをモチーフにした美しいバラード。弦の擦過音まで聴こえる静寂に息を呑む。ただただ美しいトーンに身も心もクールダウン、とろけそう。続いてフレックトーンズのライブでも披露していたアメイジング・グレース。見事なハーモニクスコントロールとパーカッシヴなプレイによって紡ぎ出されるサウンドは筆舌に尽くしがたい感動を覚えます。コレの動画を見たことがある人はご存知だと思いますが、僕はお口あんぐりでしたw。この曲の持つ意味や受け取る側のメンタリティは本当のところ僕には感じ入ることは出来ませんが、それでも様々なアーティストがカバーしたこの曲はやはり何か特別な力があるのだろうと思います。

Encore〜

  • Me & My Bass Guitar

曲中ラテンビートも飛び出すごった煮ハネ系超弩級アッパーファンク(意味ワカランw)ここぞの一本として登場したのは、指板に青色LEDが埋め込まれた漆黒のフォデラ。タッチに反応して指板上を青い光がインジケーターのように振れるギミック。場内のテンションは臨界点!バカチコ炸裂!この曲に限った事ではないですが、僅かな小節にスラップやタッピング等の小技を織り交ぜ、尚且つ歌いながらもグルーヴを感じさせる彼のプレイには素直にこりゃスゲーと唸ってしまいました。一体どんなタイム感してんだろうw。
最後にベース機材関係を。綺麗なメイプルトップが鮮やかなフォデラ・モナーク4弦 (フレッテッド、フレットレスを各一本)。アンコールで使用した黒のフォデラ。サポートベースシストのアンソニー使用のフォデラはメイプル指板の5弦のシングルカッタウェイモデル。ステージ中央に配されたヘッド&キャビはAMPEGのロゴが見えたのでハコの借り物かもしれません。(あとで後輩に聞いたら、ウォルターウッズを常用との事。赤いパネルは確認できず。)フットスタッフは多分BOSS GT-6Bだったかな?上昇下降フレーズを弾いてそれをオーバーダブして一音ずつ足していくパフォーマンス?(解かりにくい説明だなぁw)を本編終盤のソロで披露していました。


公演時間、約2時間40分。
パフォーマンスもさることながら今回は全体的に音響のバランスがスゴく良かったです。(※先日同所でエリック・ジョンソンを観た際は、出音もデカくあまりいい印象がなかったもので…)で、まぁ要するになんやかんや言ってもおっさんはノリノリだった訳ですw。ファンク色が強いセットだったこともありますが、自然に腰が動いて、クラップして、カラダ全体でリズムをとっている感覚がこんなにも気持ちイイという。。。いつものモー(ry よりワキ汗びっしょりw。いやー、良かったー。マジ感動!ジェフ・べックより良かったぐらい、いやマジで。(いちいちウザい!w)

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終演後、サービス精神旺盛なメンバーは沢山のお客さんとステージ前方で握手に応じていました。ヴィクター大人気、みんながっつくがっつくw。ひとしきりがっつきタイムが収まったところで、軽〜く機材チェックがてら前方に。ふと足元に目をやると。。。む? むむ? アレ? 周囲に気を遣いながらも誰も目もくれない様子だったので「それちょーだい、プリ〜ズ!」と上目遣いw。ギターのレジーはにこやかな笑顔でそっと一枚の紙片を手渡してくれました。そう、ヴィクターの足元にあったセットリスト。いいのか?オレ!wいや普通は熱狂的なキッズが我先にと奪取するものだとばかり思っていたので、少々拍子抜けしたのも事実。でもおかげでいい記念になりました、大事にします。因みに普段は公演時、後で思い出せるよう印象に残ったことを簡単にメモしますが、自分のメモの肉付けしたものに加えて、頂いたセットリストを参考に補完してありますので、名古屋公演のセットリストは概ねこの通りだと思います。(かなり脳内も入ってますが…w)

CD購入特典として終演後に行われたサイン&握手会にも参加しました。ヴィクターは意外に小さかったです。厚みはスゴいですがw。メンバーの気さくな人柄にお客さんも笑顔がこぼれる。素敵な光景でした、みんなあったかいなぁ。

ショーマンシップに溢れた素晴らしいエンターティナー、ウッテンファミリーに感謝です!


アルバム紹介
今回のステージで演奏された曲はこのアルバムにほぼ収録されています。

Soul Circus

Soul Circus

WOOTEN, VICTOR

WOOTEN, VICTOR

個人的にはVTTあたりのハードフュージョン系よりファンク色の強いこちらの方が好みです。何より楽曲が素晴らしい。超絶テクニックばかり取り沙汰される印象が強いですが、ライブを体験して寧ろ、彼のコンポーザーとしての優れた才能をあらためて実感しました。Funk、Soul系が好きな人にはオススメです。



しかし、無駄に長い!www